3つのこだわり

当店は元々神戸に店舗を構えていましたが、過去の阪神淡路の震災により閉店を余儀なくされました。
復興後に店舗を再度始めることを考えた時、友人の紹介で今の店舗がある山梨県南都留郡を選びました。
その理由が「水」です。
富士山から流れる天然の湧き水は硬度が低く冷たい水であることから、手打蕎麦の製麺に適した水であると判断いたしました。
そば粉をはじめ、他の素材は別の場所から持ってくることができますが、手打製麺を行う大量の水だけは持ち運びできないため、何よりも水へのこだわり大切に考え、この地に店舗を構える経緯となりました。

蕎麦食いが十人いれば、その好みも十種あると言われます。
国産蕎麦中でも特に希少で味わい深い山の蕎麦専用畑の蕎麦にこだわり続けて参りました。
「やまさと」では、白度が高い会津産の中でも特別な裏磐梯雄国の山の斜面にある蕎麦専用畑を指定し、生産者との間で契約栽培していただいているマルヌキ蕎麦を、蟻巣石という熱を持たない天然石の石臼で挽いた、極上の挽きたて蕎麦粉を使用しています。
また、収穫した蕎麦は劣化しないように生産地の専用保冷倉庫で保管し毎週製粉する分量をこまめに送っていただいております。
更に、夏場に蕎麦がヒネる時期の対応するために、春に種を蒔き6月下旬から7月初旬に収穫する2期作の最初の新蕎麦「夏新」を真夏の8月に提供し10月に収穫する秋の新蕎麦と共に新蕎麦を二度楽しんでいただいております。

私ども関西出身の職人は、ダシの命である本枯鰹節・鯖節・うるめ節・アジ節・あご節に九州を中心とした産地・生産者を指定してまでこだわる姿勢を断ち切ることができません。
また、その使用量も惜しみなく大量に時間をかけて抽出します。
しっかりした「やまさと」のツユに少量の蕎麦の先を上品に染み込ませ、蕎麦との味のバランス楽しみながら味わっていただければ幸いです。